リクルートの強さ ~スタディサプリが教育業界に王手をかけた日~


スタディサプリがなにやら変容を遂げるそうです。

『スタディサプリ』は、「学習支援」だけでなく、「進路選択支援」も行う学校教育プラットフォームへ。高校の先生方は「電子カルテ」のように生徒の「進路選択・学習情報」を一元管理可能に。

 

今まで、スタディサプリを通じて、授業を提供していたんだが、

高校生の進路指導にまで手を出しますし、

高校の先生もサポートしますよ。とのこと。

これがメインの事業になると決まったわけではないですが、

すごいなと。

 

だって、「リクルート(スタディサプリ)が店舗ビジネスはじめたらやばいなー」と危惧していた、教育関係者のすべてを裏切って、一足飛びで抜かしていったから。

どういうことか?

 

 

今年の3月。つまり、半年前に、受験サプリ(スタディサプリ)の「今」と今後の「予想」

と題して、過去の経緯を思い出しつつ色々書いたんだが、

 

時系列でざっくりまとめると
①映像コンテンツを廉価に提供できる→教育格差をなくす。
②映像授業を使って、難関大にも合格させるぞ
③高校や、自治体に営業して、補習授業に使ってくれ(←※このあたりから戦略が変わったような気がします。)
④留学前や就活前の学生の、英語力向上コンテンツ
⑤Quipper買収して、国際事業に力を入れるのかー
⑥エビデンスベースで未来の教育をやろーとかね

ものすごいスピードで変容している。

着想が5年位前で、形になったのが4年前と考えると、圧倒的な変化スピード。

 

たとえば、塾・予備校で上場している16社で見ると、売上のメインコンセプトやブランドは当然、4年前と変わりはない。というか10年前と変わらないのだが、スタディサプリをはトライ&エラーを重ねながら、驚くべきスピードで、

A:事業のコア化

B:敷衍する新しいビジネスの種まき

を上手くハンドリングしてるなーと。

 

時系列で、言えば、①・②をコンセプトとしているときは、確実に「打倒東進+予備校」だったので、

いわゆる所得水準が中の上以上がターゲット。

 

難関大に廉価で合格できるぞー!!だったのが、

無理という判断なのか、割に合わないという判断なのかはわからないが、

気づいたら、所得水準中下位がターゲットになっている。

 

狙ったか、トライ&エラーの末、結実したことを、ドヤ顔で方向転換したのかの判断は、中の人間ではない私にはわからないが、ゴールを目指して一気に方向転換する速度感は本当にすごいなと。

 

 

で、ここにきて、高校の先生にインフラとして活用してもらう施策にでた。

どの業界でも、自分達の持つコンテンツに拘泥して、その実マスターベーションになっている企業は沢山あるのだが、ここまで見事にコロコロ変えるのは本当にすごいなーと。

しかも、コンテンツを変えるのではなく、ターゲットを変えるという選択が本当にすごい。

だって、ふつーは自分の失敗をここまで潔く認められなくないですか?

 

 

ベネッセのように、4000億を超えるような企業が、予備校や塾のような地上戦をやっても利益率などうまみがないので、どうせ撤退するんだろうなー、

そもそもいまさら利益率が低い地上戦には来ないんだろうなーと大して脅威に思っておらず、

むしろ、利益が出ていないけど、資金力に恵まれるリクルートがスタディサプリ(受験サプリ)で一気に、店舗を設けて地上戦で来たら怖いなーと思っていましたが・・・

 

杞憂に終わりましたね。

それも悪い方向で。

 

今回の高校のインフラ事業。

今はベネッセの牙城だけども、これを今回がっちり囲い込んで、

いわゆる川上を押さえてしまったなら、いまさら店舗出して彼らが地上戦に降り立つことはないでしょう。

 

もちろん、地上戦は地上戦でやることがたくさんありますし、

そもそも今回のリクルートの施策に大義は感じないんだが・・・。

(教育としての大義は感じないが、世の中の「不」を解消して、利益を得るという彼らの大義にはめちゃくちゃ則るので、誰が否定しても負け犬の遠吠えになるんですがね)

 

 

もちろん、リアルな店舗を持つ、教育業においては、

「生徒のため」を逃げ口実にせず、

「リアル」を勘違いせず、(リアルな接点など私企業に頼らずとも、義務である公教育で完結するので、ただ、店舗を構えることになんのメリットもない)

本当の意味で、リアルでしかできないことを追求すればいかようにも勝ち方があるし、

次はその勝ち方に関して自分が考えていることを書こうとは思うのだが、

それにしても、一気に飛んでいったなーと、その組織が羨ましく映りますね。

 

 

いちお、教育の専門家を自認して、末席を温めているいるつもりではありますので、今回のことになおさら感じましたが、

おそらく、ブライダルでも、車でも、食でも、彼らが着手して勝った業界は、誰も気づかないうちに、ティッピングポイントがあって、気づいた頃には抜き去られてたんだろうなーと。

 

トライ&エラーのスピード感、

マスターベーションではない、他社が追従できない質の高さ

理念はずらさずに柔軟に、勝てるところにシフトチェンジし、
勝てると分かると一気呵成にいく

まぁ挙げればキリがないけど、なんだかんだでリクルートやっぱり強いよなーと。

 

羨ましさよりも、悔しさが残っている今はまだ戦えるんでしょうかね私も。

がんばろー