上智大学のTEAP入試って何? ~マッチポンプ感が否めないよねという話~


 

そもそも、マッチポンプってなんですか?

と疑問にお持ちの若者はグーグルさんに聞いていただくか、

2chで「自作自演乙」と

書いてあるそれのことを思ってくれればいいです。

 

さて、久しぶりの記事更新ですね。

いちおう職業的に、大学受験産業に従事しておりますので、たまにはそんな記事を。

 

本日、上智大学が気合を入れてたTEAP利用入試の日でした。

 

ここ数年大学の教育改革熱がweb界隈では盛んですね。

東大が秋入学を始めたと思ったら、いろいろあってやめになり、結局推薦入試はやるみたいですね。

東大推薦入試募集要項

 

グローバル化や人間力を見る入試みたいな、そんな流れを受けて、

2015年の入試ではTEAPを活用する大学がいくつかありますが、今日はその話し。

 

結論を先に述べておくと、上智大学がマッチポンプ感満載で、難関大学の気概を感じられないっていう話しでございます。

大学も、経営ですのでキャッシュが重要ってのはわかるけど、それは悪手すぎてなんだかもう。。。

 

 

まず、初心者にわかるように現行の大学入試に関して説明しますと、

 

国公立大学:センター試験+大学ごとの個別試験で合否を出す⇒実質1回しかチャンスない。

私立大学:大学ごとの個別試験で合否を出す⇒お金さえあれば何校でも受けられる。

 

に大別されるんですが、・・・少子化のおかげて、各大学があの手この手で生徒を囲い込みたいわけですよ。

少子化だなーという表を作ってみた。

1992年 2014年
志願者数 92万人 72万84人
入学者 54.2万人 66万9932人
大学数 519大学 781大学

 

受験者数減っているのに、大学の数増えてるんだからそりゃあ、各大学は困っちゃう。

どんなビジネスでも、市場が小さくなったら大変でしょう。

なので、あの手この手の入試を考えるんですよ。

 

あの手この手の例:

【センター試験利用入試】

=センター試験の点数で私立大学が合否判定を出してくれるやつ。

メリット:早い段階で合格をキープできる。場所の制約を受けずに受験できる。

デメリット:場所の制約がないので相対的に難易度高い。

早めに合格出るんで、手付金として合格大学に入学金を早めに支払うケースが多い

例:北海道に住んでるAくんが、センター試験の点数だけで明治大学の合否判定が出る。

 

 

【全学部入試】

=とりあえず1個テスト受けたら、受験料に応じて好きなだけ学部の判定を出してくれる。

メリット:同一大学で2回以上受験のチャンスがある。一度のテストでいくつも判定してくれる。

デメリット:募集定員が少ないので相対的に難易度高い。

早めに合格出るんで、手付金として合格大学に入学金を早めに支払うケースが多い

例:1つのテストの点数で、明治大学の商学部と政治経済学部と法学部の判定が出る。(受験料は3学部分払う)

 

小さいものを上げるとほんとキリがないですが。

今年は「あの手この手」にひとつ大きな仲間が加わったんです。

 

それこそ、TEAP利用入試。

 

TEAP利用入試:TEAPで一定の点数超えれば、あとは文系は国語と社会だけ、理系は理科と数学のテストで入学を判断しますよ。

 

リリースされた当初から大して注目はしていなかったのですが、ここにきて大注目。

 

そもそもTEAPとは

ざっくりいうと、上智大学と英検が協力して作って英語の4技能(話す・聞く・書く・読む)のスキルを測る素敵な試験。

 

開発者の声を聴いてみよう。

こちらもざっくり要約すると、

「受験が変わらないと、日本の英語教育は変わらない。今回のTEAPは日本人が不得意な、話すと・書くが加わっているんでスゲーんだよ」

とのこと。

 

 

加えて、

上智大学のHPを見てみよう

現行の高等学校学習指導要領では、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能のバランスの取れたコミュニケーション力を重視した英語の習得を目指す方向性が示されていることから、大学入試においても4技能を正確に測定するような試験問題の質的向上を図ることが求められています。文部科学省からスーパーグローバル大学(グローバル化牽引型)の一校として採択された本学においては、この度導入した「TEAP利用型一般入試」を皮切に、キャンパス文化の多様性を確保する入学試験制度改革を進めることでグローバル・キャンパスの創成に注力、さらなるグローバル化を強力に推進していきます。

 

さすが上智大学。

志が違う。

なんか今までの「あの手この手」よりも手が込んでる。

 

しかも、この理想高いTEAP入試による、受験者数の推移は、

従来より実施している「学科別入試」の志願者は22,634人で、「TEAP利用型一般入試」と「学科別入試」の志願者合計は31,740人となり、18歳人口が減少する中で、過去最高の志願者数を記録しました。

とのこと。

いやーあの手この手が功を奏し、今年の上智大学は、高い志をぶち上げてTEAPを導入大成功!

 

とここまでだったら上智大学の先見の明がすばらしい。

時代のニーズを読み取った素晴らしい戦略。

今後の日本の国際化に貢献!!

入試課の偉い人にはボーナスを。

 

 

と言いたいのだが、もうちょっと細かく見てみましょう。

上智大学一般入試要項

をよく見てください。

3ページに書いてありますね。

 

実は今回のTEAP利用出願に必要なのは、ReadingとListening(読む・聞く)だけ。

しかも、各100点なので2分野200満点中、約100点とれば英語免除。

 

ざっくり本年の生徒で基準を超えた子に照らし合わせてみると、

TEAP2技能100点=センター試験150-170点くらいかなと。

 

つまり、超簡単。ライティングもスピーキングもないし。

まぁセンター試験8割むずいっすと言われるとしょうがないけども、

少なくとも、上智大学の英語の問題をパスできる基準ではないよねと。

 

困ったら理念に戻れと、ソフトバンクの孫さんが言ってたので、もう一度理念を確認、

 

「スーパーグローバル大学に採択された本学では、TEAP入試などの改革を皮切りに国際化に貢献する!」

とか言ってるよね?

 

でも今回のTEAP利用入試の層と、基準を考えると、結局のところ一番得するのは、実力では上智大学に合格することできないけど、国語と社会はけっこーできます!みたいな子にとってはありがたい試験になるのかなと。

 

結果見ないとわからないけど、マーチは全部落ちたし、上智の一般も落ちたけど、

上智のTEAP入試だけは合格したみたいな笑

 

いや、まぁ大学の戦略的に見ればありですよ。

各大学ネット出願を解禁して利便性を図るくらいの少子化の中、

入試動員増ですから、この戦略を立てた人は褒められてしかるべきです。

 

でもね、HPや、開発者の声であそこまで大々的に、

日本のグローバル化を牽引!

しかも、入試人数は過去最高っす!

って言われても、

 

実情を見ると、

自分たちで盛り上げて作った問題を使って、低レベルな人を集めて自分たちで盛り上がる。

さながらマッチポンプ的なその様相の、この大学がグローバル化をささえる教育改革なんてできねーんだろうなーと思った今日この頃。

 

歴史を紐解くまでもなく、何かが変わるときは、外からの革命が必要。

誰がやるの?

 

まぁ、俺ではない笑

※注1:TEAP入試で使われる、国語や社会、数学の難易度はわかりません。英語はちょっとわきにおいといて、今後のグローバル人材としての素養を試すような出題になっていればまぁそれはそれでありかもね。

注2:TEAP自体は素敵な試みだと思います。4技能を測るに適した試験なかったからね。TOEICのSWはビジネスよりだし。・・・でもTOEFLやIELTSでいいじゃねーかというのは心の中で思っておきます。